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シン・キビレ開拓

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多摩川の河口でキビレのフライフィッシングが始まった。それまでのフライフィッシング脳にはフィールドとして存在し得なかった”干潟”が気になり始める。東京モノレールで、首都高で、通りすがりに見える一瞬の干潟。潮位差が大きい潮回りの、干潮だけに姿を表す沖の洲に気づいたフライフィッシャーは、居ても立っても居られなくなる。

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カヤックで水面を滑り、上陸を試みる。

陸上側から見る”日常”の景色にカヤックで立ち入ると、そこはたちまち”非日常”の景色に変わる。

 

”前人未到”ではないかも知れない。

”居るはずだ!”と言う信念を共有しながら、仲間たちと水中を探る。

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誰か、が釣ればそれでいい。

みんなが等しく嬉しくなる。

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”初体験”は誰にだって一回きりの貴重な体験。

非日常の新たな場所でキビレと出会えば、身近な海がさらに好きになる。

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これからもまだまだ”開拓”は続く。

佐古さんのFavorite items

横浜市在住 佐古啓樹さん。

2018年7月よりTOKYO FLATにハマる。

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BACKING LINE:Scientific Angler ダクロン20lb

 

LINE System-1:シューティングヘッド+モノフィラランニング

・Running<Shooting>line-1:KenCubeモノフラット35lb

・Running<Shooting>line-2:VISION Catapult Flat Shooter 35lb

・STタイプ6(wetcell等フルラインよりカット)

LINE System-2:フルライン

Rio DirectCore Flat Pro WF8-F or ScientificAngler Saltwater WF6-F

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LEADER-1:TIEMCO Fluorocarbon HI-ENERGY Leader 9ft 01x”

LEADER-2:ノッテド フロロをバットから50、30、20lb、3号

LEADER-3:ポリリーダー7ft typ3

 

TIPPET:Seaguar ACE 2.5号 220cm(約7.2ft)

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<リーダーとティペットの結束>

ブラッドノットもしくはトリプルサージャンスノット

<基本的な探り方やタクティクス
>

現在、メインの釣りはシンクレートの重いシューティングヘッドでベタ底をトレースする釣り方です。牡蠣殻やストラクチャーが多い場所、潮が緩いときはフローティングラインを使います。ズル引きやメリハリを付けたリトリーブ等、多様なリトリーブをしますが、動かした後の”間”が非常に大切な気がしてます。いずれにしても魚に口を使わせる”トリガー”を見つけられると一気に反応が上がる場合があります。 私にとってトウキョウフラットでのキビレ釣りの楽しさは都会の環境下で素晴らしい魚体の魚に出会えることです。干潟での釣りは危険も多く、それなりの準備や安全対策は必須ですが、安全第一で釣りに望めれば、広大な釣り場で自然に身を委ね、極上の釣りを味わえることも大きな魅力です。なかなか出会えない魚なのも事実で、私自身、最長で9回ノーフィッシュを経験。3〜4回ノーフィッシュは良く有ることですが、その先に出会う1匹は叫びたくなるほど(実際には叫んでいるかも知れません)の大きな喜びが訪れます。 もうそろそろ、ファーストフィッシュに出会ってから3年経ちますが、その喜びは全く衰えること無く、これを書いている今も釣り場に立ちたくて仕方有りません。 私にとってはとても身近な釣り場でもあり、この先もずっとキビレ釣りは続けていきます。 幻?の50アップを求めて・・・。

松本利幸さんの Favorite items

ROD:ティムコ・オービス等9ft #7-8 

# 6番でも可能な条件もあるが、風があってもトラブルが少ない# 7~8番を選択しています。たまに竹竿8.2ft(沖縄や浜名湖でのタックルをそのまま使っている)

REEL:ビリーペイト、フィンノール、ラムソンライトスピード

BACKING LINE:PE4号

LINE SYSTEM:フルライン

LINE①:Airflo BONEFISH WF7F-8F

LINE②:Scientific Anglers WF8-type3-5

LEADER:VARIVAS Tapered Leader All Purpose FLUORO CARBON 0X 9ft

TIPPET:Seaguar GRANDMAX FX 3号 1m程度

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<キビレの魅力>

何と言っても美しい魚体と引きの強さ。

更にTokyoFlatの特別なロケーションも魅力ですし、キビレのアベレージが大きいと思います。まだ経験回数が少ないのですが、干潮前後を中心に流れのある時間帯でボトムを取れるシステムを意識しています。人が少ない時などは右岸左岸共にシャローでのテイリングや引き波(ナーバスウォーター)を何度も確認し、何尾か釣っているのでチャンスは限られているとは思いますが、サイトフィッシングの可能性も秘めていると思います。

この記事をいただいた当時、松本さんは東京にお住まいでした。

現在は沖縄県宮古島でガイドをされています。

岡野追記​:2024.01

最初の1匹からの進化 Nobuyuki Okano

T.Fでの釣りを始めた頃のタックルは、

浜名湖でのサイトフィッシングのものをほぼそのまま流用し、

クロダイを本命に捉えていた。

ROD:Scott Meridian 908

REEL:HATCH Finatic 7plus

LINE:Scientific Anglers Grand Slam WF-8F

LEADER:TIEMCO Fluorocarbon HI-ENERGY Leader 0X-9ft

TIPPET:KUREHA Seaguar GRANDMAXFX 2.5号 3ft

FLYHOOK:カン付きチヌ 5~6号

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の後、サイトフィッシングに見切りをつけブラインドでの釣りをメインにするようになりる。そして釣れる魚がキビレであり、しかもサイズが大きい事が見えてくる。またマッディウォーの中でフライを見つけさせるために、フックサイズも大きくなり、フライもよりバルキーなものを使うようになる。

ロッドに関しては風によって#6~8を使い分けるようになり、ラインはティップがインターミディエイトのものを使用。よりボトムを確実にコンタクトできることを意識するようになった。

フックはチヌ鈎から同形状で太軸の伊勢尼をメインに変更し、フックサイズも9〜12号と大きくなった。太軸でフック自体の自体の重量が増したため、ダンベルアイのサイズを下げつつも、キールを保つバランスのフライが重要になってくる。

フライ歴500日 匿名希望さんの初体験

KIBIRE the First 2回目の挑戦<春の大潮前の中潮>

 

【神 託】

ウェーダーやライフジャケット、フライ。

普段は使わないハリスや防水のボックス。

トレッキングポールも。

 

数日前から淡々と準備を進めながら久々の感覚。

所謂「釣りに行く前の高まり」などと言うと聞こえが良いが、

実際のところは育ち盛りの子を抱えた身分で、

週末に自分だけの釣りの時間を作るのは至難の技。

 

皿を洗い、風呂を磨き、代償を払う。

そしてカミ様と子らへ数回の神託を経てようやく、

日曜の午前中だけの自由時間を確保。

車止めから歩きながら前回初めて竿を継いだ時のイメージを思い出す。

キビレだったかどうか分からないけど唯一当たりのあった、

「場所」「タイミング」「仕掛け」「フライ」もしかしたら「タナ」。

 

だいたいの辺りで水辺へ降り、

おおよそ決めていた場所へ向かって入ることが出来た。

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【ルーティン】

トレッキングポールでトン、トン、トン。

前方を、左・真ん中・右と言った具合で3回突いて1歩すり足。

後ろには下がらない。

 

エイが居ると言う話なので、

この基本ルーティンを絶対に忘れないよう緊張しながら進む。

浅場の膝までの土色を抜けて薄濁りの本流筋へ。

偏光グラスを通して辛うじて見える足先。

足の指の裏で感触を確かめながら、

一歩づつゆっくりと水中の砂の”尾根”を探す。

 

踏み外したり所謂「柔らかい」方へ行ってしまうと、

土に足を取られ体が沈む。

しかしウェーダーのおかげで浮力もあるから、

少しくらい沈んでも焦らずゆっくりルーティンを繰り返す。

 

瓦礫や杭、牡蠣殻や藻の筋。

砂や土が駆け上がりや流れの強弱を作り出してるようで、

肩や流れ込みや払い出し、水の中を歩いてみると、

かなり複雑に変化に起伏に富んでいて、

魚がどこを通るのか妄想ばかりが膨らむ。

 

【一投入魂】

「投げ直しはしない」と決め、

真横にシュートして本流の流れに乗せて流す”スイング”と”放置”の縛り。

歩いてはキャストを繰り返す。

 

たまにボラや小魚の群れ、遠くで跳ねる魚。

シーバスらしい魚も。

 

生命感が溢れている。

 

貸し切り、自分だけの川で気を使わずに思いっきりキャスト。

いい感じ。

 

しかし何も反応なく2時間ほど過ぎて集中も絶え絶え。

潮も緩んできてミスキャストも増えてきた。

ダメな気配がしてきたけど、

この先またこの場所にすぐ戻って来れないだろうし。

【皿洗い】

握ってきたおにぎりをリュックから取り出して、

ポカリで流しこんで一息。

直ぐに気を取り出して集中することに。

 

前回と今回を比べる。

まだ試してない事を思い出し、仕掛けを微調整。

移動はやめて”杭”になる。

 

キャストの回数を減らして、

慎重に確実なシュートからの”スイング放置”を繰り返す。

潮が緩んだのと仕掛けがうまく同調したのか、

スイングの最中にたまに”コツっ”と、

ボトムの小さなストラクチャか何かに、

フライが当たるようになってきた。

 

しかし時計も気になりだして、

”スイング放置”に”祈り”も組み合わせた最終型。

 

終盤。

 

潮位のリスクもあるから、もう切り上げなければならない。

どういうタイミングだったかはっきりとは覚えてないけど、

暫し間を置いてラインを手繰ると、いきなり生命反応。

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慎重にやりとりを堪能してネットに入ったのは綺麗な銀鱗。

 

”The first”  

 

余韻に浸る暇もなく急いで帰って、

買い物や諸々付き合い、

子を風呂に入れて晩飯の後に皿洗いまでしたのは、

言うまでもなく。 

 

Rod:Biocraft XTR 7

REEL:HARDY

LINE:SA WF

FLY: Polar magnus

"埼玉県在住/K.Kさん/フライ歴26年/54歳"の初体験

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初めてのフラットは、だだっ広い「浜名湖」を移動しながら、群れを見つけてはキャストを繰り返すハンティングのような釣り。「沖縄フラット」も同じように真っ青な空と海の間で、まっ白い砂底にできる黒い影を追いかける。「長崎フラット」はちょっと違って、川で待っていて遡上するクロダイ軍団の中からトキシラズをねらう。

 

「東京フラット」はと言えば、自宅から一番近いポイントで、なんなら電車でもエントリーできるのが最大の魅力。

 

2018年7月1日。

初めて「キビレ」に出会った。

 

これから先、いつまでもこの釣りができるといいね。

Rod:SAGE/MOTIVE 790-4<SAGE / Walton's

REEL:LOOP/OPTi Runner<LOOP / TIEMCO

LINE:SA/WVL SLAM WF7F<Scientific Anglers / TIEMCO

FLY:シュリクラ

"横浜市在住/Y.Iさん/フライ歴ほぼ半世紀近く/61歳"の初体験

2019年5月、出会いは静かにやってきた。

 

小さく抑え込まれるような違和感から、静かに"スルスル"っとラインが引き出されていく。

ストリッピングした左手にズンッと重さが加わり、#8ロッドが気持ちよく弧を描く。

 

太く、トルクのある力強い引きをいなしつつ”長かったなぁ・・・"と、それまでの時間の経過を噛み締めながら、キビレとのやり取りを楽しんだ。

 

手には、五月晴れの下で銀ピカに輝く美しいキビレが横たわった。

このシチュエーションでこの魚。

この魚に会うために、どれくらいの距離を投げ倒したことか。

どれだけ遠回りをしてしまったことか。

 

3年ほど前。

風の噂で多摩川河口で、キビレをフライで追いかけている人達がいると耳にした。

身近な場所で、白昼ウェーディングでのびのびとロッドが振れ、好ファイターのキビレとゲームが楽しめる。

 

"こんな面白い話は、なかなかあろうハズがない。"

 

すぐに飛びつきたいところではあったけど、耳に入ってきたのはただ多摩川河口でキビレが釣れるという漠然とした話だけ。自分には縁のないフィールドで土地勘も無く、釣り場へのアプローチやらパーキングスペースやらどんな釣り場なのかなどなど、何から何まで分からないことだらけ。さらにそれを聞いた当時は身近にやっている知人もいなかったため、なんとなく行動を起こすきっかけがつかめないまま時だけが過ぎ、そのうち自分の意識からも薄れていってしまった。

 

2018年初夏。

親しい友人が行ったとか、釣ったとかの情報から、しばらく眠っていた子供が目を覚ます。

川に降りられる場所は?車を止めるところはある?くらいの最小限の情報を入手した。

想像で巻いた数個のフライを持って、初めて干潟に降り立ったのが7月初旬。

 

結果は、あえなくチーバス1匹とハゼのようなアタりのみ。長年かけて開拓した先人達を考えると、そんな簡単に釣れようはずがないのも当たり前。それでも、こんな身近な都会の足元で、日中のびのびとフライが振れて釣りが出来ることそのものが、たまらなく新鮮で楽しかった。キビレの反応は得られなかったものの、大体の感じはつかめたので翌週再び干潟に向かった。

 

ところが・・・。

川へのアプローチのために歩いたコンクリート護岸でスリップ転倒。

左足首負傷、いくつかの深い擦り傷と足首の激痛で出鼻をくじかれてしまう。捻挫程度と勝手に思い込み、水に浸かっていたら冷やせるなどと浅はかな考えで、痛い足を引きずりながら釣りをした。結果、悲劇の2回目釣行は、ワンバイト、ワンフッキング、ノーフィッシュ。フッキングして竿を起こした瞬間、1.75号のグランドマックスが瞬殺され無念のバラシで終了となった。出会いには至らなかったものの、自分の組み立てで反応が得られたことの清々しさや、それを獲れなかった悔しさや、現実に戻ったときの足の痛さが混じりあった複雑な味を噛み締めながら歩く、駐車場までの道のりがなんと長かったことか。

 

そのケガが複雑骨折、要手術と想定外に重傷で長期の療養を強いられてしまう。

当然、釣りにも行けないから釣友の情報などを参考にいろいろ研究を重ね、まだ見ぬキビレに想いを馳せて、せっせとフライを巻き貯める日々が続いた。

 

2019年3月。

8カ月の長~いブランクを経て、ふたたび干潟に帰ってくることが出来た。

実弾はたっぷり、気力十分。情報は以前と比べて比較にならないほど多い。

万全の体制。

 

でも、キビレは応えてくれない。

 

空振りの連続。

 

それがキビレ釣りなのだ。

 

が、そんなこともしっかり準備して、諦めないで続けていればいつかは終わるもの。

自分はちょっとした油断から余計な遠回りをして、初の出会いまでえらく時間が掛かってしまったたけど。いつか必ず静かにやってくる。

 

クッ、スルスル―と。

 

 

こんなフィールドは、そうそうあるものではない貴重な場所。

大事に接して長く楽しんでいきたいものだ。

 

 

 

 

 

ROD:Thomas&Thomas Solor #8-9ft'Thomas&Thomas / TEAL

REEL:Hatch Finatic #7PlusHatch Outdoors /Maverick

LINE:自作2Dシューティングヘッド(インタミとタイプ3の組み合わせ)

FLY:マンティスシュリンプ(タンカラー)

"横浜市在住/S.Gさん/フライ歴27年/53才"の初体験

最初のキビレとの出会いは、中禅寺湖のシーズンが終わり。

釣り物が寂しく成って来た、今から2年前(2018年)の7月だった。

既にキビレとの出会いを果たしていた釣友から「来週潮周りが良いからどうですか?」とお誘いを受け、2つ返事で参加した。朝が随分遅いし、釣り時間も湖の釣りに比べて短いのに違和感は有ったけど、ドキドキな初挑戦だった…。

 

潮止まり30分前位…。

アタりも無く駄目かな?と諦め掛けたその時、突然それはやって来た。

 

ガッガッガッガッ。

 

工事現場の掘削機の様な、今までの釣り経験では無い凄い当たり!

合わせた途端、ルーミスNRX#9はバットからひん曲がり、まるで根掛かりした様。

しかし、その糸の先には確かな生物反応。

 

かなりの大物だ!

 

何回かラインも引き出され、漸く水面に浮上したシルバーメタリックの丸みの有る魚体が、真夏の太陽に反射してギラギラしてる!

その美しさに本当に感動し、これは間違い無く都会の奇跡だと思った!

 

案内役を買って出てくれた釣友は、自分の事以上に喜んでくれた。

指の計測だったけど45センチは軽く越えていた。

 

今でも忘れられないあのキビレとの出会い。

ROD:G Loomis NRX1089-4 <G Loomis/C&F Design

REEL: LOOP Opti Speed Runner <LOOP/TIEMCO

LINE:3M Type-Ⅳ Head 11.5m + フロロカーボン ランニング

LEADER:Type-Ⅵ

FLY:オリジナル マンティスシュリンプ

"山形県在住/M.Mさん/フライ歴1年/36歳"の初体験

2018年7月初旬、フラット初回。

フライ自体が管理釣り場以外ではほぼ初回。

そんなキャストもままならないフライ初心者の、天然魚ファーストフィッシュがこのキビレ。ルアーでのチヌやキビレ、鯛ラバの経験から毛針を動かすイメージはあり、初日はあっさり2匹キャッチ。

 

しかし。

この後は数回の坊主から正解が見えなくなる。

 

隙あらば浸かり、ようやくかけた久々の1発は、嬉しくて変な声がでた。そして感動の対面直前、根に巻かれブレイク・・・。

 

"優しさあふれる初回から、その後の見事なツンデレ"

楽しいに決まってる。

 

シャローでの軽い毛針。

 

ダイレクトに指にくる、鯛ならではの硬質なアタリと引き。

 

フライフィッシングだから味わえる楽しみかと思う。

TREXを通じた仲間との出会いも最高だった。

皆さんの変態的な魚愛には大いに刺激を受けました。

フライだろうがルアーだろうが餌だろうが...どの釣りもまた奥深く、楽しい。

重要なのは、魚や水辺との向き合い方。

大都会の野生。

魚もフィールドも人も傷付けない、かっこいいスタイルの多様な釣師が集まる場であることを願います。

ROD:Sage RPLXi 990-3 GRAPHITE ⅲ <SAGE/WALTON

REEL:Waterworks Lamson Liquid 3.5 <Waterworks Lamson / Maverick

LINE:ハーミットで聞いて買った黄緑のフローティングのやつ

LEADER:0X

FLY:R.O氏の蟹的な黒いやつ

"大田区在住/K.Tさん/フライ歴0年/47歳"の初体験

私の最初の出会いを語る上で、欠かす事の出来ない画像がある。

幼い頃から釣りには親しんで来たのだが、ことフライフィッシングに関してはきっかけも無く、憧れが有るものの別の世界だと思っていた。以前から通わせて頂いていた大田区のとあるショップの店主からのLINEの画像を見た瞬間に、衝撃が走った。直ぐショップに駆けつけ内容を聞く事になる。

 

 

場所は多摩川。️以前から健康の為、多摩川沿いで自転車を乗る事を週末の楽しみにしていた私にとって、

”こんな身近な所”で、

こんな”軽装”で、

フライフィッシングで”鯛”。

 

困惑するも内容を確認させて頂く事になる。

 

 

 

『出来ますよ、そんなに高いハードルじゃない』との言葉に押されて準備に取り掛かる。

翌年、アドバイス頂きながら装備が整いスタートした。

 

その後、週末の過ごし方が変わる。

同行者の釣果を横目に毎週末、風とラインと格闘の日々が続く。

晴れた空。

都会の風景。

飛行機の離着陸の騒音さえも、心地良く感じていた。

 

その日は突然にやって来た。️

2018年4月21日。

 

まだダブルホールが全く出来ずにいる中、その日もいつもの様に自転車で数人の同行者と共にフィールドに向かう。風も強く、潮も中潮ながら強く効いていた。

 

いつもの様に不慣れなキャスト。

 

ラインは潮に乗りどんどん流されながらもリトリーブ。

 

なんとか底を取り、遅めにリトリーブ。

 

すると突然、引っ手繰る様にアタりが有り、その瞬間ゴンゴンとロッドがしなる。

周りから「ロッド立てて!」「引いて!」️との声が聞こえ、なすがまま必死でラインを手繰り寄せると、ギラッと美しい個体が反転した。

 

無我夢中で格闘の末、同行者にランディングしてもらう。️

 

頭の中が真っ白になる位の衝撃的な瞬間でした。

そして.この日はキビレ以外にもマゴチも釣れ最高の1日となる。

 

この釣りを通じて違う年代、職種の方々と知り合いになり、これまで以上の充実した休日を嬉しく思い、開拓者、仲間、環境に感謝しながら、末長くこの”泥遊び”が楽しめる事を強く願っております。

 

ROD:SAGE SALT HD #7 <SAGE(U.S Site) / WALTON

REEL:NAUTILUS X−SERIES XL <NAUTILUS(U.S Site) / WALTON

LINE:VARIVAS WF-8F <MORRIS/VARIVAS

LEADER:VARIVAS Tapered Leader All Purpose Fluoro Carbon -2X <MORRIS/VARIVAS

TIPPET: VARIVAS Super Tippet Master spec Fluoro Carbon 0X <MORRIS/VARIVAS>FLY:  CRAZYCHARLIE

"横浜市在住/H.Sさん/フライ歴41年/52才"の時の初体験

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〜キビレとの出会い〜

昔、横浜界隈でクロダイのヘチ釣りを経験。

その後、浜名湖や大阪湾でクロダイをポッパーで狙う釣りの話題があった頃、フライでクロダイへの興味が募りました。やがて浜名湖でサイトのクロダイが脚光浴び、行きたいと思いつつも色々な理由で、実現できない状況でした。

 

そんなある日、Facebookのタイムライン上で多摩川のキビレ釣りの記事が流れてきました。

 

多摩川・・・?

河口域・・・!

うちから40分!!

 

これなら行ける!と思い、情報集めをしている中グループに入らせて頂きました。

 

初の釣行は、

2018年6月30日。

とても暑い日だったと記憶しています。

友人と一緒に入りました。晴天だけれど爆風で、これで釣りになるのかと思いましたが、全くどうして良いか分からないまま、浜名湖通いをしていた友人の話等を想像してフライを投じ続けました。

 

ロッドはScott X2s 906。リールはAbel TR3でフローティングライン。フライは何にも分からないので浜名湖で有名なシュリクラを使いました。数年前に杉浦さんのタイイングデモを見ていたら、ご本人が巻いたものを頂いて、それを真似たものを使いました。

 

 

最初はどこをどう攻めたら良いか分からず、牡蠣殻に引っ掛けたりと散々でしたが、アタリかも知れないというコンタクトがあり、そうこうしている内にそれは突然やってきました。

 

"コツコツ"と言うアタリの後、思いっきり引ったくられました。余りの強烈な引きに一瞬たじろぐも、これがよく言われている「綱引き」だと思いました。そんな綱引きは堪能する間もなく、牡蠣殻に巻かれてパチンと切れてしまいました…。

 

 

 

そして、またまたアタリは続きます。

 

そしてやっと、待望の1匹目が釣れてくれました。

 

今まで釣ったキビレの中でもかなり小さな魚でしたが、初キビレは本当に嬉しかったです。

 

 

今でも強く記憶に残っています。

初日の結果は6バイトで2ヒット1ランディングとちょっと出来過ぎな日。それにしても、この後まさかここまでハマる釣りになるとは、思いませんでした。

 

 

長年、忍野でサイトフィッシングをやってきて”見える釣り”の虜だったのですが、ブラインドならではの楽しさ...そして、難しさを知りました。

 

通い込んでいれば、宝くじ的に釣れる事は有ると思いますが"狙って釣る事も可能だ"と1年と少し経った今は確実にそう思っています。

 

干潟は広大でキビレの生態もまだ分から無い事だらけ。

「見えない釣りを想像する」

「アタリを出すリトリーブを探す」

「口を使わせるトリガーを引いて"掛け"に行く」

そして訪れる強烈なファイト。

 

 

1匹のキビレを手にするプロセスが、堪らなく楽しいです。

 

ソコリを挟んで、どんなに長くても4時間程度。

「家から近い所」

「簡単には釣れない所(今までの最高は7日間ボウズというのがあります)」

それらが僕の今のフライフィッシングの嗜好にぴったり。そして、何よりもこんなにも美しいキビレと言う魚と対峙出来る時間は、本当に貴重だと思います。

 

それ位、最初の1匹のキビレは僕を駆り立てました。そして、それは全く衰える事はありません。

 

Rod:Scott X2s 906/4 <Scott/Maverick

Reel:Abel TR-3 <Abel / UOSO

Line:Mastery saltwater WF6-F <Scientific Anglers / TIEMCO

Leader:自作ノッテッドリーダー  全長16ft

Fly:シュリクラ

2017年6月18日 東京都在住/Nobuyuki Okanoさん
フライ歴28年/40歳の”初体験”

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"Duffy's FLAT"

川土手に捨てられたダッフィーが鎮座していた干潟を、こう呼んでいた。

 

 

苦節5年。

長いドラマだった。

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2012年。

 

浜名湖で杉浦さんの釣りを見て、脳天から電流が突き抜けた。

その後、浜名湖で釣りをして1枚釣れて、

膝が笑い、脳みそが溶けた。

 

身近でなんとかならないものかと、試行錯誤が始まった。

当初の目標は、あくまでもチヌ(クロダイ)のサイトフィッシングだった。

2013年から、私のフライフィッシングのスケジュールが一変する。

東北の渓流ではなく、多摩川河口のフラットで過ごす日々。

 

フラットと言えば聞こえは良いが、

”干潟”

フライフィッシングと言えば聞こえは良いが

良い歳こいた

”泥遊び”

私の出身は広島。

子供の頃の海釣りの憧れの対象と言えば”チヌ”。

実際、広島の河口にはチヌがウジャウジャいたから、

”多摩川の河口にもいるはずだ!”

そんな漠然とした状態からスタート。

週末の午前中に干潮を迎える潮回りの日の、ほぼ全てを干潟で迎えた。

干潮前後の2〜3時間だけ。

 

日常的に通える範囲でフィールドに立てるし観察ができる。

そして何より家族にかける負担も少ない。

 

最初に向かった日のこと。

「死にたて」のチヌを見つけて興奮した。

(写真は別のもの。もっとフレッシュで水面を浮いて流れていた)

「いる」。 と言う絶対的な情報だった。

見出し h1

浜名湖のごとくサイトフィッシングで成立させたく、

ルアーでシーバスを追っていた頃の記憶を頼りに、

干潮時に立ち込める場所を探し歩き、魚を探す日々を送る。

2年目以降も同様に開拓の日々。 真夏の日中の干潟。

周りは野球場や高層マンションが立ち並ぶ都会の川。 それでも多摩川は干潟があり、そこには脈々と続く生物の営みがある。 シーバスのボイル祭り。

アミ類の大発生。

植物プランクトンのブルーミング。 潮の満ち引きの中に突然訪れる生命のザワつきがあることに、改めて気が付いた。 この感覚もまた、たまらない。

2016年6月。

広島に帰省したおり、フライタックルを持ち込んだ。

テイリングもナーバスウォーターもたっぷりだけど、

ただ、岩場やカキ殻が多くて釣りにならない。

休憩がてら橋から覗き込むと、岩場はもちろん干潟のカケアガリにも、

多くのチヌが餌を食んでる姿が見えた。

浜名湖とその他の釣り場との大きな違いはボトムの色。

浜名湖以外はいわゆる干潟で”黒い”。

故にテイリングやナーバスウォーター以外、魚を見つけることは難しい。

これだけ沖にもチヌがいれば、ブラインドでもチャンスがあると思った。

ここまでサイトに固執し過ぎた感がある。

 

予想は的中。

潮のタイミングがあえば、結構アタる。

浜名湖のサイトフィッシングで経験した

”ドドッ、ドドドッ”のあのアタリが、いきなり訪れる。

サイトは挙動が見える事が何より面白いけど、

いきなり訪れるあのアタリも心臓に悪くて良いもんだ。

広島のチヌがデカく、散々ハリを折られティペットを切られ、辛酸を舐めさせられる。

釣り人の欲を捨て、小さくても良いから!と腹をくくって、

ブラインドでの最初の一枚をキャッチした時は、

ものすごく満足感に満ちた喜びを得た。

多摩川に戻る。

これまでサイトに固執し過ぎた感がある。

フィールドの特性上サイトフィッシングには向かないことに、

遅ればせながら気づいたのだ。

2016年の夏からは、起伏や流れを意識してブラインドでの釣りも始める。

”ドドッ、ドドドッ”

あのアタリが訪れる。

 

 

そしてアタリの再現性を追求するために、

潮の条件などを、数名の仲間とともに探っていく毎日。

2017年はいつもより早い時期から始めた。

5月中でも少ないながらアタリは取れた。

食いそうな潮と川の流れがなんとなく掴める。

そして2017年6月18日。

カケアガリにフライが差し掛かったテンションが分かり、

そのテンションが解けた瞬間、

”ドドッ、ドドドッ”。

いちどフライを放すも、再びドドドッときてフッキング。

ガバガバっと水面を掻き回し、一瞬のテンションを感じたのちバレる…。

気を取り直し、そこから数投。

また同じ様なアタリ。

今度はフッキングが決まり、ファイト開始。

沖へと走り、ラインが水中に突き刺さる。 ギラギラと魚体が見える。凄まじい体高の魚が暴れ狂い、

私は無我夢中でズリ上げた。

ドラマが完結した。

見事なコンディションのキビレ。

クロダイではないけれど、紛れもないチヌファミリー。

銀ピカボディに尾鰭の黄色がアクセント。

フライは閂を貫いていた。

6月18日はキビレ記念日となった。

 

 

この日までの5年間。

全く釣れなかったのに、ここから先ほぼ毎回釣れるようになる。 やっていることは大して変わらないのにだ。

しかし、なかなかクロダイは釣れない。

当初、クロダイのサイトフィッシングに対してのこだわりが強かったのだけど、

ここではギンギラギンのキビレがスターなのだと納得する。

 

ここのキビレはとにかく引く。

そしてどれもコンディションが素晴らしい。

 

日中の多摩川河口でフライロッドを振っているのはほぼボクだけ。

羽田空港を行き交う飛行機の下でロッドを振るのは、気持ちが良かった。

ここまでの”5年間”と言う時間の苦労を、

最初の1匹が全て満たしてくれただけでなく、

”身近なフィールドを再開拓すること”が、

釣りの楽しみの大切な部分だと気づかせてくれた。

そして、ここで釣れるシーバスやマルタも全て本命だと思えるようになった。

「ちょっと釣りに行ってくる」

と言う時の「釣り」がフライフィッシングで、

しかも街中できれいな魚が釣れるのはなんとも嬉しい。

ここから私は、この楽しさを共有したいと思うようになり、

周りの人に声をかけ始めた。

そして、東京の干潟が”フライフィッシングフィールドとなっていくのだった。

ROD:Scott Meridian 908<Scott/Maverick

REEL:SS 7/8/9<TEAL original>

LINE:Textured Grand Slam WF-8F <Scientific Anglers/TIEMCO

LEADER:VARIVAS Tapered

Leader:All PurposeFluoro Carbon -02X 9ft<MORRIS

TIPPET:Seaguer Grand Max FX 3号 4ft<KUREHA

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